タコと魚の目
タコや魚の目は角質層が厚くなったもの
★タコ
角質層が外側に盛りあがり厚くなったもの。痛みはないことが多い。
★魚の目
角質層が内部に進行し真皮内に突き刺さっている状態
強い痛みが特徴です。
✓発生場所
足の裏に発生することが多いですが、手にできることもあります。
(野球選手の手のタコ、作家のペンダコなど)
✓原因
靴が合わない、偏平足、ハイヒール、糖尿病
✓治療
痛みをとる
魚の目の痛みに対しては切除すると痛みがなくなります。
小さな魚の目はその場で(外来で)簡単に取り除けます。
原因を改善
靴に中敷きを入れて再発予防をします。
以下、魚の目、タコを詳しく説明
皮膚の構造
人間の皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層からなり、
表皮の一番外側には角質層があります。
タコと魚の目はなぜできるの?
角質層を含む表皮は外部の刺激から体を守る役割を担っています。
刺激が繰り返されると体を守るために角質層が厚くなります。
角質層が部分的に厚くなったものがタコ、魚の目です。
いわば防御反応の一つです。
タコと魚の目の違いは?
タ コ:角質層の増殖が表皮内にとどまっている
魚の目:真皮まで細く鋭く刺さっている
発生原因
靴が合わない、ハイヒール
合わない靴を履いていると足底にかかる圧が偏り発生しやすい
偏平足 開帳足
偏平足のばあいも足底の圧に偏りができて発生しやすい
糖尿病
糖尿病も発生リスクの一つです
治療
疼痛が強い魚の目に対して
1、自分で行う方法
角質を柔らかくするサリチル酸配合の市販薬(スピール膏など)で
角質を柔らかくして2-3日後に切除します。
この方法で自分で芯を完全に除去するのは難しい。
2、病院で芯を切除する方法
メスやハサミなどで切除します。
多くの場合は麻酔なしで切除可能ですが、魚の目の深さによって
局所麻酔を使用することもあります。
★クラーク病院上肢センターでは
小さな魚の目は その場で切除
麻酔なし、痛みもなし
★魚の目を切除希望の方はサリチル酸配合薬は塗らずに
乾燥させた状態で来院してください。
3,再発予防
魚の目を切除しても多くの場合は再発します。
靴の調整や中敷きを入れる
自宅内で柔らかいサンダルを履くなど、再発予防が重要です
症例
① 70歳代 女性 巨大胼胝
以前から何度も胼胝形成(タコができること)を繰り返していました。
歩行時に痛みが強く出るようになり、当科を受診しました。
第5趾MTP関節部に巨大な胼胝があります。
扁平開帳足です。
リウエルで胼胝を切除しました。
これだけでは早期に再発しますので
足底板を作成し、歩行時に足底にかかる圧力を分散するようにしました。
② 60歳代 女性 左足部の魚の目
靴が魚の目に当たり歩行時に強い痛みが出現します。
外来で魚の目を除去しました。
痛みがない処置ですので麻酔は不要です。出血もしません。
③ 40歳代 男性 左足底の魚の目
魚の目の芯を付けたまま角質層を切除しました。
角質の芯が真皮内に入り込んでトテモいたそうです。
切除後は痛みが消失しました。
④ 30歳代 女性 右足底の魚の目
足底に縦に発生した魚の目です。芯は飛び石状態で、これを切除しました