手根管症候群
女性を襲う手の痛みと痺れ⚡
治療で夜もぐっすり😊
まとめ
手根管症候群とは?
手首で神経が圧迫されて、指にしびれや痛みが出る神経麻痺の一つです。
どんな人に出ますか?
更年期障害、妊娠中及び出産後の女性、リウマチ患者さん、透析患者さん、さらには手をたくさん使う職業のかたに多く発症します。
どうして発症しますか?
正中神経が通っているトンネル内が狭くなり、正中神経が圧迫されて麻痺が発症します。
有効な治療法は?
①手首を安静にすると治ることがあります。
②装具での固定も有効です。
③症状が強い場合は手根管開放術を行います。
(当グループでは内視鏡手術を行っています)
早期に治療を行うと痛みやしびれが無い快適な生活が待っています。
手根管の構造
症状
①手のしびれ、指のしびれ
親指から薬指までしびれます。
しびれは1本のこともあれば4本ともしびれることもありますが、
小指はしびれません。
②指の痛み
痛みを伴うことがあり、特に朝方に手の痛みがつよくなります。
③筋肉のやせ
症状が進むと親指の付け根の筋肉がやせたり、
親指の動きが悪くなりつまみ動作ができなくなります。
④perfect O sign(パーフェクト オー サイン)陽性
対立動作(母指と母指以外の指を合わせる動作)が困難になり、
親指と人差し指で丸い円を作ることができないこと。
このサインは前骨間神経麻痺のところでも出てきます
右の母指球筋(親指の付け根の筋肉)がやせています。
診断
①しびれの範囲
親指から薬指までの4本中1本あるいは複数本がしびれている。
②徒手検査
Tinel様サイン
手首の部位をたたくとしびれが指先に響きます。
これをTinel様サインといいます
Phalenテスト(手関節屈曲テスト)
手のひら側に手首を強く曲げて1分以内にしびれが強くなると陽性
神経圧迫試験:
首の部位を押すとしびれが強くなる神経圧迫試験
③神経電動速度検査
正中神経に皮膚の上から微弱な電気を流し、神経の圧迫部位を探す
治療 (手遅れになる前に治療を開始しましょう)
①安静が重要
手関節をあまり動かさずに安静にすることが大切です。
装具やギプス等で手首を動かさないように固定することも大変有効です。
重たいものを持たないように注意します。
特に軽症の場合はこのような安静治療が有用です。
②神経障害性疼痛に有効な内服薬
しびれやびりびりとした痛みにはプレガバリン(リリカ🄬)が有効なことがあります。プレガバリンは神経障害性疼痛に有効です。
③ステロイド注射は神経損傷に注意
注射治療としては手根管内へのステロイド剤注入が時として有効です。
手根管内に注入されたステロイドが手根管内の炎症を抑えて内部の腫れを軽減することでしびれが改善します。
(注:注射の重大な合併症として注射針による正中神経の損傷。
損傷の程度によっては、手に激しい痛みが続き、日常生活動作もままならなくなることがあります。頻回の注射は薦めません。)
④つらい時と筋肉がやせてきたら手術が必要
症状が強い場合は手術を行います。
手術では横手根靭帯を切開してトンネル内の圧力を減じます。
手術方法は内視鏡手術と掌の皮膚を切開して行う手術があります。
ともに手術時間は10-30分程度で日帰り手術が可能です。
どの治療を行うにしろ麻痺がすすんでから治療を行うと麻痺がのこりますので早期に医療機関を受診することが重要です。
手術所見(局所麻酔):手根管を開けると正中神経が強く圧迫され、神経が陥凹しうっ血していました。この手術で手の疼痛は大幅に改善しました。
当グループでは内視鏡手術を推奨しています。
「手のひら」の手術創は術後3-6か月の間硬くなり、
手術部を押したり物が当たると強い痛みが出ます。
当グループで行っている内視鏡手術は「手のひら」に傷を作らない方法で行っています。
手根管症候群内視鏡手術
手首に開けた小さな穴から内視鏡を入れて内部を観察しています。
★画面中央上方の白い組織が横手根靭帯です。
この靭帯をナイフで切っている写真です。
青い部分は内視鏡の外筒です。
正中神経を強く圧迫している横手根靭帯を切り、神経の圧迫を軽減します。
★内視鏡手術の動画です。
痛みがない状態で手術ができます。
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