肩腱板断裂、肩腱板損傷

✔肩腱板断裂、肩腱板損傷とは?

 腱板(肩関節で上腕骨頭を包んでいる4つの腱)のうち1つ以上が切れたり、壊れることにより肩に痛みや機能障害が出る疾患です。

 

症状

痛み:運動痛が主ですが、安静時にも痛みがでることがあります。

機能障害:症状が進むと腕の挙上(バンザイなど腕を上げる動作)ができなくなります。

 

治療

①安静:注射などで炎症や疼痛の改善を目指します

②リハビリ:関節の柔軟性を向上させ、筋力を回復させます。

③手術:痛みや挙上困難などの症状が強い場合は手術で腱板を修復します。

★腱板が切れているだけでは手術対象にはなりません。

 保存治療で多くの方は症状が改善します。

☆正常腱板のMRI像

☆腱板断裂のMRI像

​以下、詳しく解説

​肩の仕組みを理解しよう

✔肩の骨:肩の骨は主に上腕骨肩甲骨で構成されています

肩関節を正面から見た絵です。

鎖骨は除去しています

​肩甲骨の臼蓋に上腕骨頭が収まるようにはまっています

✔4つの腱板:上腕骨と肩甲骨を繋いでいる腱が腱板です。

​腱板は4つの筋肉とそれに伸びる腱からできています。

肩を正面から見た絵です。

​上腕骨頭の上を覆っているのが棘上筋腱、前面を覆っているのが肩甲下筋腱です

上腕骨頭の後ろを覆っているのが棘下筋腱小円筋腱です

斜め前上からみた絵です。

​上腕骨頭を4つの筋腱が覆っているのが判ります。

腱板損傷、腱板断裂とはなに?

腱板を構成している

棘上筋腱

肩甲下筋腱

棘下筋腱

小円筋腱

のうち1つ以上が損傷、断裂した状態

症状:痛み、運動障害、しびれ、変形性関節症

1)痛み

痛みの部位  痛みが出る場所に注意!!

腱板断裂肩の付け根から上腕の上半分に痛みがでることが多い。

★五十肩 :腱板断裂とほぼ同じ部位に痛みが出ることが多い。

★肩こり :肩甲骨周囲に痛みが出ることが多い(下図)。

腱板断裂の痛みの特徴

★運動痛:腕を上げたり、回すなど、腕を動かす場合にでます。

★安静時痛:炎症が強い場合は腕を動かさなくても痛みがでます。

     特に夜間に痛みが出やすく睡眠が妨げられます。

腱板断裂:腕の付け根に痛みが出やすい

肩こり:肩こりは首と肩の間が痛い

2)運動障害:腕をあげにくくなる。

  進行すると外旋運動、挙上ができなくなります。

 腱板断裂と50肩の動きの違い

 ★肩腱板断裂:自分で動かせなくても他人が動かすことができる

 ★50肩(肩関節周囲炎)自分でも他人でも動かない。

腱板断裂

腕が上がりにくくなる

50肩(肩関節周囲炎)

肩がさび付いたように動かない

3)しびれ:多くの人は腕のしびれや手のしびれを訴えます。特に親指側のしびれを訴える人が多いのが特徴です。

4)変形性肩関節症:腱板が大きく損傷してから長期間を経過すると肩関節の骨、軟骨自体が壊れて変形性関節症になることがあります。

原因:外傷性、変性

1)外傷性

 転倒などで肩を直接強打し腱板を切る場合と、肘を強打して上腕が突き上げられて間接的に腱板を切るものがあります。

2)変性

 長年にわたり腕を上げ下げしたり腕を回すことが多い仕事を行っている方や、野球、バレー、卓球など肩に負担の多いスポーツ選手に発生しやすい傾向です。また重労働やスポーツを行っていなくても肩関節の形によっては腱板が切れやすい場合があります。

治療:保存治療、手術治療

1)保存治療

 変性断裂の場合は保存治療を行うのが基本です。

 

安静、注射:炎症が強い期間は肩関節を動かさず安静に努め、痛みが強い場合は肩に注射(ヒアルロン酸やステロイド等)を行います。

 

リハビリ:疼痛が軽減したらリハビリで機能障害の改善を促します。

 

​日本整形外科学会パンフレットより

2)手術治療

保存治療でも症状が改善しない場合は手術を行います。

手術は腱板断裂の大きさ、筋肉の萎縮の状態によってさまざまな方法があります。

・小~中断裂

 腱板の修復手術を行います。内視鏡手術(関節鏡手術)や切開手術で腱板の縫合を行うことで良好な成績が得られます。

 

・広範囲断裂

 ①腱移行術

  肩や背中の腱を移行したり、大腿から腱を移植し腱板を修復。

 ②リバース型人工肩関節置換術

   広範囲断裂や変形性関節症もバース型人工肩関節置換術で良好な成績が得られるようになってきました。

 
​☆腱板広範囲断裂に行った腱板修復 術前・術後MRI像

​手術前

 ✔腱板が欠損している

  (青色で囲んだ部分)

 ✔上腕骨頭が上方に移動している

術後1年

 ✔修復された腱板

​  (青色で囲んだ部分)

​ ✔正常の位置の上腕骨頭

☆腱板断裂に伴う変形性肩関節症

腱板断裂が長期化すると徐々に関節破壊が進み変形性関節症を呈することがあります。

✔腱板断裂が広範囲に及び

 徐々に肩関節が壊れる

✔骨頭が球形に変形

✔骨頭が上方に移動し臼蓋との

​ 適合性が悪くなる

腱板広範囲断裂の合併症

 棘下筋の萎縮(赤丸で囲んだ部分)が著明で、外旋筋力も激しく低下している。

​ この患者さんは肩甲下筋も萎縮しており内旋が困難でした。

Key Words : 肩の痛み、腕の痛み、肩が痛い、腕が痛い、手が上がらない、夜痛い、夜痛みで寝られない

クラーク病院上肢センターは 

肩、肘、手の疾患、外傷に対し高度な医療を優しく提供しています。

 

Fax : 011-782-4850

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​札幌 クラーク病院 肩肘手外科 佐々木勲

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