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ギヨン管症候群(尺骨神経管症候群)

尺骨神経麻痺の一つです。

手関節掌側尺側にある尺骨神経が通るトンネルをギヨン管(あるいは ギオン管、尺骨神経管)といいます。

ギヨン管内で神経が圧迫され麻痺が発生する病気です。

ギヨン管の解剖

 豆状骨の橈側、有鈎骨鈎の尺側の間で屈筋支帯と豆鈎靭帯が底部となり掌側手根靭帯の遠位部と短掌筋の近位部に被われてできる掌側の管。尺骨神経と尺骨動脈が通ります。

症状

肘部管症候群」とほぼ同じです。

肘部管症候群との違いは感覚障害の発生範囲

手背尺側の感覚神経(尺骨神経背側枝)はギヨン管の手前で分岐しているので

手背側、手関節背側の知覚障害は発生しません。

原因

ギヨン管内に発生した腫瘍やガングリオンなどによるギヨン管内での圧迫。

 

長距離自転車走(スポーツタイプの自転車では体重を腕(手)で支えハンドルグリップがギヨン管を圧迫する)、腕立て伏せを繰り返すなど外部からの圧迫などで発生

 

原因不明であることが比較的多い疾患

治療

外部からの圧迫(打撲や繰り返しの圧迫等)が原因の場合は安静で治癒する確率が高い疾患。

ガングリオンなど手根管内で神経を圧迫するものがある場合は手術が必要です。

 

原因不明の場合も症状が強かったり発症から長期間経過している場合は手術を行い、原因を確認します。

 

50歳代女性 冷凍の魚を長時間切る仕事を行ったところ、薬指と小指に痛みとしびれが出現

 右手に力が入りにくく巧緻運動障害が出現しました

包丁の柄がギヨン管に当たり麻痺が発生しました。

​斜線の範囲がしびれています。

この患者さんは

発症後、約1か月の間、局所を安静にすることで、しびれや痛みが大幅に改善しました

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