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あきらめないで・・へバーデン結節 / ブシャール結節

 

へバーデン結節 / ブシャール結節とは?

中年以降の女性の指に多発する変形性関節症です。

第一関節(DIP関節)に発症したものをへバーデン結節

第二関節(PIP関節)をブシャール結節

 

原因:不明です。家族性に発症することがおおい。

 

症状:関節の腫れ、痛み、可動域制限、変形です。

 変形は軽度なものから関節が真横に曲がってしまうものまで様々です。

 

治療:

 1)安静:痛み止めの服用と指の安静が基本です。

 2)注射:痛みが強ければステロイドの注射を行います。

 3)手術:安静、注射後も疼痛が強い場合や変形が気になる方は手術。

  へバーデン結節 ⇒ 関節固定術

  ブシャール結節 ⇒ 人工関節置換術、屈筋腱部分切除術を行います

 病院を受診しても 「年のせいとか、治らない」 と言われ勝ちですが状態に応じた治療で症状の改善が得られるようになってきました。あきらめずに治療しましょう。

以下、詳しく説明しています。

症状:指の第一関節又は第二関節の腫れ、痛み(運動時痛だけでなく安静時痛特に夜間痛が発生します。)、可動域制限(関節の動く範囲が狭くなる)、さらに症状が進むと関節が横方向に曲がり変形してきます(図1.2)。罹患指(発病する指)は1本にとどまることはまれで多くの場合複数の指に症状が出ます。多数の指に発症すると手がうまく使うことが困難になり、日常生活にも支障をきたします。

合併症:へバーデン結節に粘液嚢腫(mucous cyst)を合併することがあります。第一関節背側に腫瘤が出現し内部にゼリー状の液体が溜まります。

 

原因:不明です、家族性に出ることが多く、特に中高年の女性に多いのが特徴です。

 

治療:

①安静:指を使わずに安静を保っていると痛みが軽くなることがあります。女性に発症することが多く、指の痛みを我慢しながら家事労働などの日常生活動作を行っております。従来、発症後1-2年で症状が改善するといわれておりましたが、症状が改善しない方も大勢いることがわかってきました。

②注射:発症している関節にステロイドの注射を行うと多くの方は症状(痛みと腫れ)が改善します。激しく痛みが強い場合は注射は非常に有効です。しかし、この注射で完治することはなく症状が改善している期間も様々です。また注射を何度も繰り返すと関節破壊が進んだり、腱が切れることもありますので漫然と注射を繰り返すのは控えた方が良いと思います。

③手術:第一関節は手術で関節を固定すると痛みがなくなり、変形の矯正も可能です。第二関節は人工関節置換術で症状が改善します。人工指関節は様々な種類が出ております。病院によって使用する機材が異なります。

 変形性関節症があまり進んでいない場合は、指の屈筋腱の一部(FDS)を切除することで疼痛と腫れが軽減し、さらにはブシェール結節の進行も遅くするとの報告もあります。

へバーデン結節

第一関節(DIP関節)が曲がり、運動痛と可動域制限がありました

第一関節のすきま(関節裂隙)が消失し骨棘が形成されています

手術で関節を固定しました

​固定術後痛みがなくなりました

へバーデン結節に粘液嚢腫(mucous cyst)を合併

第一関節(DIP関節)から発生し粘液嚢腫(mucous cyst)(この時点では嚢腫がつぶれている)が爪母を圧迫して爪が変形している。

粘液嚢腫感染例

60歳代女性  粘液嚢腫感染例

​粘液嚢腫が破れ、やふれた穴から細菌が入り込み感染しました。

80歳代の男性

粘液嚢腫が爪の生え際で破れ自分で処置していたが感染が関節まで及んでいました

へバーデン結節に痛風発作を併発

50代女性。

両手のへバーデン結節の既往あり。

手を酷使した翌日に発症。

既往歴に高尿酸血症あり。

皮下に白い石灰が透けて見えます

(黒点で囲んだ部分)

レントゲンでは関節が破壊されて典型的なヘバーデン結節の所見です。

皮下に石灰化が認められず。

ブシャール結節(Bouchard)-1

60歳代女性、右中指第二関節(PIP関節)が腫れています。

レントゲン写真では中指PIP関節の関節裂隙が狭くなり中節骨にcyst(骨に穴が開いている)が見られます。

ブシャール結節-2

60歳代女性、両側性に多発関節症が認められる方です。左示指PIP関節小指側に曲がり、腫れています。

​環指,小指はPIPが曲がらずほぼ強直しています。

​症例4 両手へバーデン結節

多数の第一関節が長年の経過で変形しています。発症当初は痛みが強く徐々に変形が強くなってきましたが、現在は痛みが軽く日常生活動作に大きな支障はありません。

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