一部工事中
子供の上肢におこる病気・ケガ
肩・肩周辺
肘・肘周辺
野球肘
肘周辺骨折、骨端線離開、骨端線損傷
上腕骨顆上骨折
内反肘変形
上腕骨外顆骨折
偽関節、外販肘変形
モンテジア骨折
骨折や脱臼後のコンパートメント症候群、フォルクマン拘縮
1. コンパートメント
四肢の筋・神経・血管は骨や筋膜、骨膜等で囲まれており、これをコンパートメントと呼びます。
2. コンパートメント症候群
四肢の外傷でコンパートメント内の圧力が高くなると、コンパートメント内の筋肉、血管、神経が強く圧迫され、疼痛、しびれ、運動障害などの症状が出現します。これをコンパートメント症候群といいます
特に小児の肘周辺外傷で多く見られます。
コンパートメント症候群を放置するとフォルクマン拘縮(Volkman‘s contructure)になる可能性が高くなります。
3. フォルクマン拘縮
(Volkman’s contracture)は前腕の屈筋群に阻血が生じ、壊死を引き起こし、屈筋が瘢痕化してやがて指の伸展が困難になります。重症例は屈曲も困難になります。小児の肘周囲の骨折に合併することが多い。
フォルクマン拘縮の5徴候
①腫脹(puffiness)
②疼痛(pain)
③蒼白(pallor)
④脈白触知不能(pulslessness)
⑤麻痺(paralysis)
の5P徴候を示す。
7歳 男児 自転車から転落し受傷。


上腕骨顆上骨折
骨折部で横に大きくずれています。
近医を受診し翌日当科に紹介いただきました。
肘はパンパンに腫れていましたが幸い麻痺やコンパートメント徴候はありませんでした。
当科受診当日手術施行
変形(特に内反変形)が残りやすいため何度もレントゲンで確認しながら固定しました。
手術翌々日に元気に退院。
手・手周囲
橈骨遠位骨端線損傷 骨端線離開
SALUTER HARRIS


指の骨折
子供の骨折の中で指の骨折が占める割合は高く、日常の診療でよく拝見いたします。
多くの場合は順調に回復しますが、中には問題となることがあります。
以下に治療上の問題点や注意点を記載します。
1. 骨折部でのねじれに注意!!
中手骨や基節骨の骨折では指が「ねじれ」て治ることが多く注意が必要です。「ねじれ」が強くのこると指を曲げたときに隣の指とぶつかり、日常生活に支障をきたすことがあります。
多くの手外科医が「ねじれ」に注意しながら治療しますが、受傷直後は骨折部周囲の組織が腫れているため、骨折部に「ねじれ」が生じてもわかりにくいことがあります。また指の付け根が腫れると骨が押されて「ねじれ」が骨のズレ以上に強く見えることがあり「ねじれ」の判断がとても難しいのです。治療初期の腫れが強い時期に「ねじれ」がない状態にしても、腫れが引くと反対方向に「ねじれ」が出ることがあり、対処が難しい合併症です。特に小指の中節骨骨折の場合、腫れで骨を外に押し出す力が働くために「ねじれ」てしまいがちです。
7歳男児
右薬指基節骨を骨折
シーネ固定で治療していたが薬指が変形したため紹介され受診

両手を握ると右薬指が小指にぶつかり十分に握ることができない
正面から見た写真。
指を伸ばして正面から爪を見ると人差し指や中指に比べて薬指の爪が大きく傾いているのが判ります



右薬指のレントゲン正面像です。
基節骨が斜めに割れて、ずれたまま骨癒合しています。
正常の指にするためには手術が必要です。
手術で骨を矯正しました。
小指や中指とぶつかることなくしっかりと握ることができました。

2. 関節内の損傷には要注意!!
子供の関節は軟骨が豊富です。軟骨はレントゲンに映らないために関節内に発生した骨折がトテモわかりにくいことがあります。
子供の場合は関節内の骨折がレントゲンでは見えにくいため、捻挫や打撲と判断し気が付いた時には関節面が変形癒合していることがあります。関節面に段差が生じますと関節の動きが妨げられて動かなくなります。
指では特に第二関節(PIP関節)の外傷に注意が必要です。第二関節が変形癒合すると治療は難しいのですが、我々手外科医の腕の見せ所でもあります。
治療は関節面のずれの程度により変わります。関節面のずれが軽い場合は手術は不要です。リハビリと装具治療で比較的良好な結果が得られます。一方、関節面のずれが大きい場合は手術で関節面を修復し、さらにリハビリや各種装具で治療します。
3. 無理なリハビリは厳禁!!
小児は骨の形成が非常に旺盛です。関節部に強い力を加えると微小出血が起こりそれが引き金となって、関節周囲に骨が増殖し関節の動きを妨げることがあります。
小児の場合はリハビリを行わないか、行っても非常に緩やかなリハビリを行います。さらに各種装具を用いて可動域を徐々に改善させていきます。装具は非常に重要なアイテムで、状況に応じて使い分けるとたいへん有効な治療手段となります。
小児の関節疾患に対する治療は、疾患の理解、解剖の知識、丁寧な手術、術後のリハビリ、装具治療など多岐にわたる治療手段の中から適切なものを組み合わせて行うことで良好な結果が得られます。
お困りの際は 肩肘手札幌 にご相談ください。
6歳女児、遊んでいて受傷。

救急担当病院で処置を受けました。
教科書通りにアルミ副子を曲げて小指と環指を固定していましたが、小児で手が小さくアルミ副子が取れかかっていました。
6歳の小児ではMP関節の拘縮は起こりませんので回旋変形がなければ、伸展位の固定が便利で確実です。
小児弾発母指、小児母指ばね指、小児ばね指
KW: 小児、指が伸びない、指が曲がらない、装具、手術
小児のばね指の多くは親指(母指といいます)に発生します。
ある日、お母さんやお父さんが子供の親指が伸びない、あるいは曲がらないことに気が付いて来院されます。
大人と子供のばね指は病態が異なります。
大人のばね指:靭帯性腱鞘が腫れて腱が引っかかります。
症状が進むと次第に腱も腫れて靭帯性腱鞘への引っかかりが強くなります。
子供のばね指:腱自体が腫れて靭帯性腱鞘に引っかかります。
治療
小学校前なら毎日親が優しく指を伸ばしてあげていると、伸びなかった指も徐々に伸びるようになることが多いため、まずは保存治療を進めます。
装具も意外と有効です。
小学生になる頃に保存治療が無効な場合は手術を勧めます。
手術は一般的には全身麻酔で行います。
手術時間は10-20分程度で簡単なものです。ご安心ください。
5歳10か月女児

両側の親指の第一関節(IP関節)が伸びません。
前医で保存治療をしておりましたが改善せずにご紹介いただきました。
5歳男児

左中指のばね指です。
中指が完全に伸びません。
屈筋腱が腱鞘に引っかかっています。
指を曲げることはできます。

肩・肩周囲
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