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★屈筋腱損傷

 

どんなケガ?

指を曲げる腱(屈筋腱)がけがで切れると指が自分で曲げようとしても曲がらなくなります。再び自分で曲げるためには腱を修復する必要があります。

 

症状:屈筋腱が切れると指を自分で曲げようとしても曲がらなくなります。腱の損傷部位によって、第一関節だけが曲がらなかったり、第一・第二関節ともに曲がらなかったりと、曲がらない関節が異なります。また、屈筋腱のすぐ横を指の神経や血管が通っており、神経や動脈が同時に切れることが多い外傷です。

 

原因:鋭利な刃物やガラスなどで誤って切る場合が多く、指の掌側を鋭利な刃物で切っって、指が動きにくくなった場合は屈筋腱損傷を強く疑います。また鋭利損傷以外では、リウマチや変形性手関節症で屈筋腱が切れることがあります。近年、橈骨遠位端骨折にプレート固定をすることが多くなり、プレートで母指の屈筋腱が切れる症例も散見されます。スポーツ外傷ではラグビーなどで相手のジャージを引っ張ろうとして切れることがあります。

 

治療:手術とその後のリハビリが大変重要です。手術は切れた屈筋腱同士をナイロン等の糸で縫合します。屈筋腱は母指以外の指にはそれぞれ2本(浅指屈筋腱、深指屈筋腱)あり、癒着が起こりやすく治療が難しい外傷です。特に第二関節と手のひらの間を受傷した場合は治療が大変難しく手外科専門医に治療を行ってもらう必要があります。リハビリも重要です。手術直後に力を入れて手を握ると腱を縫合した糸が切れることがあります。慎重で計画的なリハビリが必要です。

以上は受傷直後に治療した場合について述べましたが、受傷後数週間経過した症例は切れた腱同士を縫合できずに腱の移植が行われることもあります。

変形性手関節症とそれに続発した屈筋腱の滑膜炎によって右環指の深指屈筋腱が断裂しました。鋭利な刃物でのケガではなくこのような手の疾患でも屈筋腱が切れることがあります。

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