​前骨間神経麻痺、AINP

前骨間神経麻痺とは?

正中神経の枝の前骨間神経が突然麻痺になる疾患です。原因は不明です。

 

✔親指、ひとさし指の第一関節が曲がらない。中指も曲がりにくくなります。

 しびれはありません。

✔前骨間神経の走行

前骨間神経は正中神経の枝で肘の高さ付近で分岐します。

支配する筋肉は 方形回内筋、長母指屈筋、示指・中指深指屈筋 です。

原因

原因は不明です。

前駆症状として肩周囲、肘周囲に激しい疼痛が数日以上続きその後麻痺に気が付く場合があります。

更に風邪症状の後から症状に気が付いたという方がいます。

いずれにしても 原因は不明です。

症状

母指の第一関節(IP関節)、示指の第一関節(DIP関節)が曲がらなくなり、肘を曲げた状態で回内力(手のひらを下向きにする力)が低下するなどの筋力の低下が認められます。一方、知覚異常は生じません(手のしびれは出ない)。

母指と示指の第一関節が曲がらないため、母指と人差し指でうまく円を作れない(perfect O signといいます。)

★perfect O signは手根管症候群のところでも用いられます。

手根管症候群では対立運動が困難になるためにperfect O signが陽性になります

前骨間神経麻痺では回内運動も行いにくくなります。

回内筋は円回内筋(前骨間神経分枝前の正中神経)と方形回内筋があります。

したがって、前骨間神経麻痺で方形回内筋が動かなくても回内運動は可能です。

治療法

経過観察

 3-6か月の間、経過を観察し回復を待ちます。徐々に改善してくることもありますので一定期間経過を見ていきます。この間特に治療はありません。

手術

 経過観察期間を過ぎても回復がなければ手術を行います

手術の所見

神経の色調とくびれ:多くの場合、前骨間神経は色調の変化(半透明な真珠様の色)と形態異常(くびれが発生する)が上腕から前腕までの間に認められます。

くびれの状態:くびれ部分は繊維様の組織が巻き付いておりこれを切除します。

 

術後経過:術後数か月で徐々に改善することが多いですが残念ながら改善しない場合もあります。

✔20歳代 女性

「神経のくびれ、色調異常」画像

発症から5か月目に手術を行いました。上腕中央から前腕中央まで展開して神経の状態を観察しました。太い神経が2本見えます。神経は色調に違い(上は乳白色、下は半透明な黄色)は認めますが一見するとくびれは認められません。  しかし・・・・

神経を剥離していくと神経のくびれが次々と見つかり、くびれは全部で9か所もありました。

✔40歳代男性

​発症後4ヶ月で神経麻痺が回復しないため手術を行いました。 上腕の近位まで神経の色調異常があり、くびれも複数個所に認められました。

クラーク病院上肢センターは 

肩、肘、手の疾患、外傷に対し高度な医療を優しく提供しています。

 

Fax : 011-782-4850

Follow  佐々木勲

  • Facebook Clean Grey
  • Twitter Clean Grey
  • Instagram Clean Grey
  • YouTube Clean Grey

​札幌 クラーク病院 肩肘手外科 佐々木勲

Tel : 011-782-6160