化膿性屈筋腱炎

​★屈筋腱の説明

指を曲げる屈筋腱は骨の掌側(手のひら側)にあります。指先の骨から始まり前腕で筋肉につながります。

屈筋腱は腱鞘というトンネルの中を通ります。

腱鞘内は血流が乏しくバイ菌が入り込むと化膿やすく治りにくい特徴があります

★化膿性屈筋腱炎とは?

腱鞘の内部が化膿して膿がたまった状態です。

★症状

4つの特徴があります(カナベルの4徴)

ⅰ 指の腫れ

ⅱ 指が曲がっている

ⅲ 屈筋腱に沿って強い圧痛がある

ⅳ 他動的に伸展すると激痛がおこる

★原因

多くは外傷で発症します。指のケガでバイ菌が腱鞘内に入ると感染します。

傷が小さい場合、そのまま放置し感染が拡大することがあります。

​手術の合併症として発生することがあります。

菌は多岐にわたります。慢性の場合は抗酸菌群の関与も考慮すべきです。

★治療法

切開排膿が重要です。

✔受傷~48時間以内

 抗生剤点滴投与 添え木 (有効はまれ)24時間で効果がなければ切開排膿

✔受傷後48時間以降

 手術治療、治療が遅れると腱、皮膚に重大な障害が起こる

Stage1 : 屈筋腱鞘洗浄とドレナージ、±デブリードマン

Stage2 : 腱鞘や壊死組織の外科的切除

重症例 指切断

​症例1 男性、指に鋭利なものが刺さり受傷

小さな創からバイ菌が入り発症。

受傷後数日経過して受診。

強い痛みを訴えていました。

受診日に緊急手術を行いました。

​皮膚を切開すると腱鞘が大きく腫れあがり内部に膿と感染性滑膜が増生していました

感染が激しかったので指全体を切開し感染した組織を除去。

洗浄液注入用と排液用のチューブを入れて毎日洗浄。

手術後10週間です。示指に軽い拘縮がありますが、仕事に復帰し手をよく使っております

症例2:バネ指の手術後数日で発症した例です

  症例3:抗酸菌の感染による化膿性屈筋腱炎

発症から月日がたっており慢性化した感染症です。

抗酸菌の感染はゆっくりと進行し慢性化する場合があります。

術後10か月指の状態です。

感染は落ち着いていますが、屈筋腱の多くは感染で溶けてしまい、屈曲が不良です。

クラーク病院上肢センターは 

肩、肘、手の疾患、外傷に対し高度な医療を優しく提供しています。

 

Fax : 011-782-4850

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​札幌 クラーク病院 肩肘手外科 佐々木勲

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