ガングリオン
ガングリオン とは?
ガングリオンは関節包や腱鞘内の水が外にできた袋にたまったもので、一見、腫瘍(できもの)の形をしています。
関節包、腱鞘とガングリオンはつながっており水は関節包、腱鞘からガングリオンに流れますが逆には流れません。
✔症状
多くの場合あまり痛みのない「できもの」として自覚します。
狭いところに発生すると、関節の動きでガングリオンが挟まり、強い痛みが出ることがあります
(手関節背側が代表的)。
屈筋腱周囲にできる場合は小さく大変硬く、物が当たるととても強い疼痛が出現します。
✔どこにできる?
関節近くや腱の周りであればどこにでも出来る可能性があります。
好発部位は手関節や屈筋腱の周囲です

日本手外科学会パンフレットより
✔原因?
原因は関節包(関節を包んでいる袋)や腱鞘(腱を包んでいるさや)内には関節や腱の滑りをよくするために水が少量入っています。関節包や腱鞘にできた離れ小島のような袋に水が漏れて大きくなったものがガングリオンです。一旦ガングリオンにたまった液体は関節包には戻りにくい構造になっています。

日本手外科学会パンフレットより
✔治療
安静:ガングリオンができた関節や腱の安静で小さくなることが期待できます。
装具などで半強制的に動かさないようにすると安静が比較的保ちやすいようです。
注射で吸引:注射で吸引したり針を刺して絞り出します。
手は神経が密集しており神経損傷には十分注意が必要です。

日本手外科学会パンフレットより
手術:疼痛が強かったり、保存治療で改善しない場合は手術を行います。

日本手外科学会パンフレットより
30歳代 女性 数週間前から手関節背屈時に手関節痛が出現し最近になり膨れてきた

手関節背側に腫瘤あり
手関節背側は外来で一番目にするガングリオン好発部位です。

針で穿刺すると内部からゼリー状の液体が出てきた。
膨らんでいた手関節が平坦になっているのが判ります
50歳代女性 左手関節尺側のガングリオン

約1か月前から誘因なく左手関節尺側が腫れ、徐々に運動時に疼痛を伴うようになりました。
左手尺側の赤破線の部分が腫れています

エコーで
ガングリオンを疑わせる所見

安静目的で装具で固定しました。