リトルリーガーズ・ショルダー、

(上腕骨近位骨端線離開)

小学生・中学生(10-16歳)の野球選手に多い肩の障害です。
成長軟骨(=骨端線#1)が繰り返しのストレスで壊れてしまった状態をリトルリーガーズ・ショルダーといいます。成長軟骨は周囲の骨に比べて外力に弱いために発生します。
原因は主にボールの投げすぎです。フォームが悪いとか、変化球を投げるのが悪いとの意見もありますが、ボールの投げすぎが一番の原因です。治療法は安静(投球をしない)ことにつきます。必要に応じてリハビリ、投球フォーム指導を行います。手術が必要になるのは大変マレです。
#1:成長軟骨(骨が成長する場所)を画像上では骨端線といいます。

小児の上腕骨近位(肩の付け根)には成長軟骨がありここで骨が伸びます。レントゲンなどの画像上では骨が映らず線のように見えるために骨端線といいます。長管骨にある成長軟骨は骨の端にあるため骨端軟骨ともいわれます

左の図では水色の部分が骨端線(成長軟骨)です。

成長軟骨は骨よりも弱く壊れやすい

成長軟骨は周囲の骨に比べて構造的に衝撃に弱い特徴があります。投球で繰り返し成長軟骨に衝撃が加わり成長軟骨に微小損傷を引き起こします。

★原因

投球のし過ぎ、ボールの投げすぎが主な原因です。投球フォームが悪いことやbreaking ball(変化球)の投げすぎも原因の一つと考えられておりますが、一番の原因はボールの投げすぎです。

投球動作では動作の下の図のようなphaseによって肩関節には外旋力、内旋力、遠心力と求心力などの力がかかります。

この動作を繰り返すことで骨端線に過度なストレスがかかり損傷されます。

 

        Wind up                          Early cocking       Late cocking     Acceleration          Deceleration   Follow through

​★治療

✓ 1.5-3か月間の投球禁止(症状に応じてさらに延長)

   投球復帰は症状がなくなってから

✓ リハビリ

   rotator cuff強化

   後方関節包のストレッチ

   体幹筋力強化とストレッチ

✓ 段階的投球プログラム

   はじめは近い距離でのボールのトスから開始

   徐々に距離を遠くし速度を早くする

✓ 近道や特効薬はありません

   治りにくい「ヒビ」のようなものです。

   安静(投球禁止)で治りますが、自己判断で投球をすると再発します。

   短期間でも治りません。

   骨癒合が不十分な場合はいったんよくなってもすぐに悪化します。

   

​★予防

✓ 投げすぎない(これにつきます)

​   アメリカリトルリーグの投球制限を掲載しました。投球が厳しく制限されております。

✓ 子供の教育

   痛みがあったら絶対投げない、早期に病院を受診

年齢別の1日当たりの投球数制限

1日の投球数によってその後何日間投球を休むかがわかります。

これも年齢別です。

表の左半分が1日の投げてよい球数の上限で表の右半分は一日の投球数に応じた投球を休まなくてはいけない日数が書かれてます。

例えば、10歳では一日上限がに75球です。また21~35球投げた場合は1日休みが必要、60球投げた場合は3日休みが必要です。

12歳 野球歴5年 ピッチャー 左投げ

1年くらい前から投球時に左肩痛が出現

安静にしていると痛みは軽減していた

​最近、痛みが増強し安静でも痛みが改善せず当科を受診。

​左の骨端線が離れているのが判ります

クラーク病院上肢センターは 

肩、肘、手の疾患、外傷に対し高度な医療を優しく提供しています。

 

Fax : 011-782-4850

Follow  佐々木勲

  • Facebook Clean Grey
  • Twitter Clean Grey
  • Instagram Clean Grey
  • YouTube Clean Grey

​札幌 クラーク病院 肩肘手外科 佐々木勲

Tel : 011-782-6160