★橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折 まとめ

 

​「転倒などで手をついた際に生じる手首の骨折です

 骨がもろくなった中高年女性に好発します。

  フォーク様変形

日本手外科学会のパンフレットを一部使用

治療」 -機器の発達で手術成績良好- 

 

 保存治療:骨のずれを戻し、ギプスで固定

      ギプス固定期間は通常4-5週間

 

 手術治療:整復不良や骨折部がぐらぐらする場合は手術

      機械(プレート)の発達で手術成績良好

 

 リハビリ:受傷後、手術後は速やかに指を動かすことが重要

      中高年は指が固まりやすく、固まった指は非常に治りにくい

「後遺症」:変形が残ると痛みやしびれなどの後遺症が残りやすい

橈骨遠位端骨折 以下詳細

原因:転倒して受傷することが多い

   特に中高年女性に起こりやすい骨折です

   骨粗鬆症患者さんは軽く手をついただけでも骨折する事があります

症状:手関節の痛み、腫れ、フォーク様変形(コーレス骨折や背側バートン骨折の場合)

合併損傷:尺骨茎状突起骨折やガレアッチ骨折が発生することがあります。

​フォーク様変形

​分類

橈骨遠位端骨折は骨折の仕方、部位、等でいろいろに分類されています。

以下、代表的な分類を提示します。

a, ヒトの名前がついたり受傷しやすい職業にちなんだ分類

b, AO分類  骨折部位と粉砕の程度によって分類

治療

1、保存治療:局所麻酔を注射し骨折片を整復しギプス等で固定します。

  整復:外来で麻酔(局所麻酔、伝達麻酔等)を行い、指をまっすぐに引っ張り骨の転位(ずれ)を直します。引っ張る際に手で引っ張る方法のほかに、chinese finger trap(指を保持する器具)で指を引っ張る方法があります。引っ張る際に患者さんの体も引っ張られるほど強く引っ張ります。骨折している骨を引っ張るのはたいへん痛そうですが、局所麻酔効果と指をまっすぐに引っ張ることで骨折部が安定しますので強い痛みはありません。

固定:整復位を保持しながら(指を引っ張りながら)ギプス等を前腕から手部に巻いて固定します。ギプス固定する範囲は多くの場合、前腕から手部までですが、医師によっては肘の上から手部まで固定する事もあります。ギプス固定の注意点は指を完全に露出し指の運動、リハビリテーションを妨げないようにすることが重要です。ギプスで指の途中まで覆うとあっという間に指の関節がかたくなり(拘縮)機能障害を残してしまいます。

2、手術:整復困難例や、骨折部がぐらぐらする場合は手術を行います。

ロッキングプレートで骨折部を固定します。

多くの場合、前腕遠位の掌側を切開しプレートを当ててネジで固定します。

 ✔粉砕が強い場合➢創外固定を装着して骨折部の安定化を図ります。

 ✔骨欠損がある場合➢骨移植を行います。

  移植骨は人工の骨や自分の骨を他の部位からとり移植します。

 ✔尺骨茎状突起の基部で折れている場合はスクリュウ等で固定することもあります

保存治療(手術を行わない治療)で治癒した方です

50歳代女性 スノーボードで転倒し受傷。元気なスポーツウーマン

橈骨遠位端が折れて背側にずれています。

整復後の写真です

正面側面ともに転位骨片が整復されもとの位置に戻っています

骨質もよく、整復後転位が起こりませんでした

​手術をせずギプス固定のみで後遺症がなく治癒しました

手術治療1

60歳代女性 雪道で転倒し受傷

橈骨の遠位端が骨折しています。

橈骨の掌側のずれが残っています。

​ずれていた骨を整復しロッキングプレートを当ててネジ固定した。

Aptus 2.5プレートを用いて固定

手術は少人数で簡単に行えるガイドを使用。実際の手術はこちら

Useful Jig for ORIF  Distal Radius Fracture

手術治療2

70歳代女性  アイスバーンで転倒し受傷

橈骨遠位端骨折に尺骨茎状突起骨折を合併した患者さんです。

橈骨遠位端をロッキングプレートで固定

尺骨茎状突起が不安定性が強くscrweで固定

​術後は手関節尺側痛も出現せず、経過良好です

合併症:あまりずれていない骨折の場合、親指を伸ばす腱が切れる(長母指伸筋腱断裂)ことがあります。このほかに、ずれの大きさにかかわらず受傷後数日~数か月の間に手根管症候群が発生することがあります。

​ずれの少ない橈骨遠位端骨折。

レントゲン写真では転位がなく骨折の有無は、わからないがMRIで骨折がわかる。

ずれが少ない骨折が長母指伸筋腱の断裂が起こりやすい

★クラーク病院がある札幌市は冬のあいだ道路が凍結し滑りやすいアイスバーンになります。このため転倒による橈骨遠位端骨折が多発します。特に雪まつりシーズンに多くみられますので外を歩く際には注意が必要です。

★自分で行う簡単リハビリ 

毎日1.2を行ってください。

 

 1.指拘縮予防

 ギプス翌日又は手術翌日から指を積極的に動かして下さい。        

 すべての指の関節を動かしてください。

 動かし方は以下のように動かしてください。

   グー、チョキ、パー:10回✖3回/日

   他動伸展・屈曲(骨折してない手で折れた手の指を動かす):10回✖3回/日

 

 

2.肩・肘拘縮予防:

 ギプス固定翌日又は、手術の翌日から肩・肘を動かします。

    肩・肘を目いっぱい伸ばしてバンザイ:10回✖3回/日

 

クラーク病院上肢センターは 

肩、肘、手の疾患、外傷に対し高度な医療を優しく提供しています。

 

Fax : 011-782-4850

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​札幌 クラーク病院 肩肘手外科 佐々木勲

Tel : 011-782-6160